取引している某大手地銀の担当者から電話がありました。『金利2%、預け入れ期間1年半の「預金」があります。申込期限は5月10日です。』という簡単な話。
このご時世に「2%もの金利がつく預金」とは何者?ということで窓口まで出向いて話を聞いてみました。
担当者は最初に「これは日経平均株価に連動する仕組み預金です。」と断ったうえで、
1.6月1日の日経平均株価終値を設定株価とし、その後の日経平均株価の上昇が設定株価の10%以内である間は2%の金利を1年半にわたって払い続けます。
2.株価が10%を上回った時点で預金はただちに終了となり元本を払い戻します。
3.日経平均株価が設定株価の65%以上一度でも下落した場合には1年半後の満期日に預金は償還されますが、満期日の日経平均株価が設定株価を下回っていた場合には元本を下回った額の償還となります。
というもの。
銀行窓口が銀行の顧客に対してすすめているため金利の高い定期預金と誤解しそうですが、これは「期限前償還金額日経平均株価連動型」の「円建債券」「ノックイン条項付き」というものでした。
楽観的な人は(そもそも投資をする人には楽観的な人が多い)
「いくらなんでも1年半後の株価が今より65%も下がることはないだろうから元本が減るような損失がでることはないだろう」
「今後株価が大きく上昇した場合はその時点で終了になるものの元本が戻ってくるので他の投資にまわせばいい」
「株価が今の水準で上下している間は2%の金利(正確にはクーポンという)が受け取れるのだからそう悪くないのではないか」
とみて迷うでしょうね。
ちょっと待ってください。この仕組み預金は株価の下落リスクを顧客に負わせておきながら、上昇メリットはごく一部だけ(2%だけ)の顧客還元に限定しておく、というものです。顧客がそれに気づいて解約しようとすると手数料をたくさんとられ元本は戻ってこないのです。
もちろん投資にリスクはつきものですが、リターンが小さい(この場合は2%しかない)割にはリスクが大きい、つまりリターンとリスクが見合っていないことがこの仕組み預金を考える上でのポイントなのです。元本が減るようなリスクをとらされるならばリターンも大きいのが普通です。リーマンショックのような大きな暴落はもうおきない、と信じている人はいませんよね。
楽観的な見通しのもとで、こうした仕組み預金に手をだして大損をだしてきた投資家はたくさんいます。(財テクに失敗した一部の私立大学や公的機関などがよい例ですね)
あぶない。あぶない。ですね。
竹橋の国立近代美術館で開催されている「ジャクソンポロック」の展覧会へ行ってきました。
http://pollock100.com/
「ピカソを超えた」とまでいわれる彼の抽象絵画ですが、たしかに縦横無尽に動き回っている筆のタッチは生命感を感じました。ピーク時の作品「インデイアンレッドの地の壁画」が秀逸でした。
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