2012年5月6日日曜日

リーマンショックを上回る暴落発生のシナリオは?

最近読んだ論文から気になるものを紹介します。筆者は同志社大学の浜矩子教授。「通貨を知れば世界が読める」などのベストセラー著書もありエコノミストとして活躍している女性です。「financial plannning2012年4月号」より

1.ギリシアのユーロからの退場は時間の問題。元々ユーロは単一通貨を導入するための経済的条件が整ってから発足したのではなく明らかに導入はまだ無理だったのに政治的理由によって強引に出発させてしまったのでそのリベンジが表面化したにすぎない。今のようにユーロ圏の設計自体に何の変更も加えないで逃げ切ろうとする限り危機からは脱出できない。

2.ユーロ存続させる3つのシナリオは?
①ユーロ圏の複数リーグ化。メジャーリーグとマイナーリーグに分ける。現に今でもユーロ圏入りをめざす国は為替相場メカニズム(ERM2)に2年間所属し、自国通貨の変動幅を一定範囲内にコントロールできるよう義務付けられているのでそれを参考としていく方法。
②ユーロ圏が発足する前に存在していたかってのERM(事実上の固定為替制度)を復活させる方法
③ひとつの通貨、ひとつの中央銀行、ひとつの金利、という現状を廃止し、ユーロという通貨は使うものの各国の中央銀行を復活させ金利も国の数だけある、という形態。各国がそれぞれみのたけに合った金利を採用するというもの。
3つのうちで一番実現性があるのは①だが、誰も設計変更的なことは言わずなんとか今の形でユーロを温存できないかと考えている。結局ユーロ崩壊させないというかたくななスタンスが崩壊を呼び込むという皮肉な状態になっている。最悪の事態をさけるためにもぐらたたきのような条件反射で動いているだけ。ユーロ圏をこわしたという責任を負わされるのを避けたいから動いている姿を示しているだけにすぎない。他の人のせいで壊れるならそれはそれでよし、というのが本音。

2.ユーロ崩壊はリーマンショックを上回る影響が出る。株の暴落と一段の円高が進行する。
3.我々は債券の格付けの動きを注目しその意味をしっかり把握していこう。

というものでした。更に
「今は儲けようとするよりも、いかに損をしないかにポイントがある。『慌てず、欲張らず、損をせず』、というスタンスでかんがえていけばいい時代。」

前回のこのblog、仕組み預金の話の中で楽観的な投資姿勢に警鐘を出しましたがそれと通ずる話ですね。
フランス大統領選挙の結果も出ました。ユーロのゆくえはますます不透明感を増しましたね。

新緑がきれいです。秩父の山中でみつけた写真を添付します。1本の満開の桜の木とようやく若葉が顔をのぞかせた1本の木のコラボです。



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