日本の税制のトレンドは法人減税、個人増税ですが、株式投資の税金が個人の場合と法人の場合とで大きく違う、という点についての話です。
まず一般論として個人が資産を譲渡して所得を得た場合、総収入金額から取得費を控除した金額(譲渡所得)については超過累進課税により総合課税されます。累進課税ですから所得の多い人ほど多額の税金がかかることになります。譲渡した結果マイナスになった場合には給与所得などの他の所得との損益通算が可能ですので税金を減らすことができるわけです。
ところがこれが株式譲渡になると一般論とは異なり一律20%(現在は軽減税率10%ですが)の税率で課税され、かつ他の所得との損益通算はできないのです。(分離課税です)
まあ総合課税の最高税率は地方税を合わせると最高50%ですからこれでも税率面では優遇されている、ということでしようか。(高額所得者ほど優遇されている、というのはヒガミ?)
では譲渡損失が発生した場合は?というと株式は他の所得との損益通算は認められていないのですが、例外的に上場株式の譲渡損失と上場株式の配当所得だけは認められています。それでもマイナスが残る場合はその後の3年間損益通算は可能ですのでラッキーということでしょうか。
次は法人の場合です。
法人で株式を譲渡した場合は他のすべての所得と合算して一律に法人税がかかります。さらに合算後の所得がマイナスになった場合9年間の繰り越し控除が可能なわけです。法人有利ということでしょうか?
結局個人で株式投資をした場合の最大のメリットは譲渡益にかかる優遇された税率ですね。おおむね法人税の実効税率30%を大きく下回っているからです。
でも損失がでた場合他の所得との損益通算が制限されていること、たとえできても繰越は最大3年ですからこの点では法人よりは不利ということでしょうか。
結局利益が出た場合は個人が、損失がでた場合は法人が有利な税制のしくみといえますね。
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