2015年5月16日土曜日

最近の事例から

最近の事例からお金の話。
ご夫婦がマンションを購入する場合、通常は頭金を用意しますよね。(最近は頭金なしでもローンを融資してくれる銀行もあるようですが、購入金額の2割とか3割の頭金を用意し不足する金額を住宅ローンで充当するのが一般的です)
そこでたとえば4000万円の物件を購入するとして頭金を1000万用意しのこり3000万円をローンとしたとしましょう。
頭金1000万は800万円をご主人が、200万円を奥様が自分の預金から提供したとします。
そして住宅ローンが組めて何年か返済していきます。

ところがこのご夫婦の仲が悪化してとうとう離婚の話になり財産分与の話になりました。
結婚後つくりあげた財産は基本的には夫婦で折半となります。
住宅ローンを返済中のマンションも分与(折半)の対象になります。(登記上ご主人の名義となっていてもです)
そうなると必要となるのは①マンションの価値 ②ローン残高 ③頭金の取り扱い です。
①マンションの価値は推定売却価格ですので不動産会社に頼めば評価額を算出してくれます。
②ローン残高はローンを組んだときに銀行が発行してくれたはずです。
実はいちばんやっかいなのは ③頭金 をどうするか、という点なのです。

購入時に出資した 800万と200万 がそのまま返却の対象となるか、というとそうではないのです。
特に ①のマンション価値が購入時より値下がりしている場合に問題となります。
仮に 4000万で購入したマンションの価値が現在半分の2000万となっていたような場合頭金についても現在その価値が半分(目減り)になった、とみなされます。

ですからこのような場合 財産分与額というのは
1.現在価値2000万からローンの残高相当分を銀行に返済し(銀行からの借金は目減りさせずにそのまま、ということです)
2.残りの金額から目減りさせた頭金を夫婦それぞれに返却し
3.最終的な残りの金額を折半する、ということになります。

もちろん1.の段階でマイナスになれば夫婦に分与される財産はなくなり、逆に残ったローンを誰がどのようにして返済していくのか、という問題になってきます。

簡単に離婚している現代の世の中ですが、不動産の取り扱い問題が入ってくると一筋縄ではいかないようです。

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