遺産分割をおこなう場合に気をつけなくてはならないのが特別受益の制度です。
これは平たくいえば、親(被相続人)から一部の子供(相続人)が生前に贈与を受けたりしていた場合、遺産分割にあたってこれを考慮しないと不公平になるのでこの贈与を遺産の前渡しとみて遺産分割の際に「持ち戻し」(贈与分も計算する)をしていこうというもの。
さてこの特別受益となる贈与の例としては
1.婚姻に際しての「持参金」やその他の贈与 ただし少額の贈与で扶養のためのものは対象となりません。
2.学費 高等教育を受けるための学費も特別受益になります。ただし相続人全員が同程度の学費を得ていた場合は対象にはなりません。
3.不動産の贈与
4.金銭、有価証券などの贈与 小遣い程度のものを除き特別受益とされます。
5.遺産の無償使用による利益
親の土地に建物をたて土地を無償で使用している場合。この場合は土地の使用料相当額が特別受益となります。
親に家を建ててもらい相続人が単独で無償で使用しているような場合は使用料相当額が特別受益になります。
ただし親と一緒に住んでいて親の面倒をみていた場合には特別受益とはみなされません。土地や建物を所有する親が老人ホームに入ってしまうと特別受益とみなされる恐れがあります。
この特別受益の問題は遺産相続に際して紛争の種になりがちですので要注意ですね。もっともこの「持ち戻し」については被相続人(親)が「持ち戻し免除の意思表示」をすることも可能です。(当事者が納得するだけの合理的理由が必要ですが)
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