最近になって親戚のおばが長年住んでいたマンションを売りました。売買価格は700万円でしたが、契約時に300万円を手付金として受け取り、建物の明け渡し時に残金を受け取ることとしました。
そこでおばが聞いてきたのは受け取った手付金を使ってしまっていいのだろうか?ということです。
抱えている借金の返済に充てたいとのことでしたが、これは「NO」ですよね。
というのは手付金というのは、売買契約成立後に買い手側から何らかの理由で契約の解除を希望する事態が発生した場合に買い手側は手付金を放棄することで契約関係から解放され、売り手からの損害賠償や違約金などの請求を免除されるためのものです。
逆に売り手側から契約の解除をしたいような事態が発生した場合には売り手は買い手に手付金を倍返しすることで売買契約を解消することができるわけです。
手付金というのはこうした事態に対応するためのお金であり、決して頭金ではないので売り手のおばとしては最後の明け渡し段階までは使わずに保全しておく必要があるわけです。
最近になってこの「倍返し」の例が発生しています。
東京青山に建設中の億ションで前代未聞の例が発生しました。配管やダクトを配置するためコンクリート壁や梁を貫通させて通す穴の数や位置が間違っていたことが工事中に判明したために予定通りに引き渡すことができなくなったのです。是正工事には1年以上かかるために売り手側は全契約者に対し売買契約の解除を申し入れたわけです。こうした場合に返却される手付金が倍返しになるわけです。実際には売り手側は手付金相当額を「迷惑料」として追加で支払ったので金額だけでみると「3倍返し」に相当した金額が支払われたようです。
不動産売買には大きな額のお金が動きますのでトラブル発生を避けるためにも知っておくべき知識がいろいろありそうです。
0 件のコメント:
コメントを投稿